産業廃棄物とはどのようなものを言うのか
Last Updated on 2024年11月27日 by ainmana
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産業廃棄物とはどのようなものか
産業廃棄物とはその名前の通り、仕事で使用されていたものが使えなくなったり交換して必要にならなくなったものを廃棄処分にしたものをいいます。
以前までは机や椅子、本棚など比較的大きなものが対象になっていましたが、現在は小物関係でもまとめて廃棄処分にするため、その大きさにはあまりこだわりがなくなってきました。
産業廃棄物は自治体から許可を得た業者が引き取りと処分を行っていて、従来はその一連の作業を同じ業者が全て行うのが通常の形態でしたが現在は分業化が進んでいて、回収して処分業者まで搬送する配送専門の業者と、各地から集まってきた処分品を自社で仕分けをして再利用できないものとできるものにわける業者と、処分品を仕分けて利用価値のないものを井草実業などの最終処分地に配送する業者に分担されるようになっています。
※参考サイト:井草実業 桐生市
これはあまりに処分品として提出される物品数が増えすぎてしまったため、業者が一社だけで全てを対応していると賄いきれなくなってしまったことに由来していると考えられます。
また分業化にすることでコストの削減と処理能力の速さが実現できるため、この流れを止めることは難しいと言えるでしょう。
現在の産業廃棄物はただ捨てるだけではなく利用価値のあるものは再利用するのが主流
現在の産業廃棄物はただ捨てるだけではなく利用価値のあるものは再利用するのが主流になっていて、その物品そのものに利用価値がなくても使われている材料や部品を使い、それまでとは全く違う物品や利用法を用いることが圧倒的になっています。
これは前までは原材料から新たに作り出す方がコストが安く済んでいたのですが、今のように再生技術が進めば原料から新たに作りだす場合と比較して品質には多少の劣化が生じますが、コストパフォーマンスが絶対的に良くなったので再利用することを念頭に回収するようになってきました。
このような変化は回収される場所も変わってきて、一般家庭でも必要がなくなったものは処分品として回収するようになってきたため、その排出量は増加の一途を辿っています。
この家庭からの処分品についても仕事場で出されたものと同じ流れで処分されていて、所有者が必要ないと考えても別の人からすれば利用価値があるというものがあるため、できる限りは再利用する方向で処分が行われていますが、最大の問題はその最終処分地が直ぐに満杯状態になってしまい次の処分地がみつかりにくいという点でしょう。
この最終処分地で特に有名なのは東京の「夢の島」ですが、ここも予定していた期間を大幅に短くして一杯になり、近接した別の処分場で対応していますがそれもすぐに詰まってしまうと予想されていて、それ以後をどうするのか自治体にとっては大きな問題になっています。
大量に処分品を埋設する事による汚染水や有毒ガスの問題
これは内陸部に処分地を作ると景観が悪くなったり自然環境が悪化するだけでなく、最大の問題は大量に処分品を埋設すると地下水域に汚水が染み出して汚染水になったり、自然発生する有毒ガスで近くに住む人に重大な健康被害をもたらしてしまうことに他なりません。
この有毒ガスで有名なのはダイオキシンであり、これが発生すると僅か吸っただけで致死量に匹敵してしまうため、内陸部に処分場を作る方が簡単ですがなかなか認可が出せない理由になっています。
海上でも同じように水質汚濁や海洋汚染という問題が起きてしまい、そこで漁業を営んでしまう人には死活問題になってしまいますが、やはり被害を受ける人の数が少ないという理由から海に処分地を求めるという傾向が強くなっているのでしょう。
しかしこの処分地は自治体が勝手に設定できるのではなく、そこに住む近隣住人からの了承を得なければトラブルに進展してしまうため、簡単に処分地に決定できないという問題を持っています。
この産業廃棄物の処分問題はどこの場所でも問題化していますが、その新たな処分先で考えられているのは海外に輸出することです。
誤解があるようですがゴミの処分を海外に委託するというのではなく、日本では再利用するにはコストがかかり過ぎてできない処分品を海外の国に渡し、その国での人件費の安さで再利用するための工程を担ってもらうということです。
古紙やくず鉄は既に輸出が開始されていて、再利用に大きな期待が持たれている
その代表例で古紙やくず鉄は既に輸出が開始されていて、どこまで成果がでるのかまだ結果は出ていませんが大きな期待が持たれているのは間違いないでしょう。
この処分問題は一般家庭から出る一般ゴミでも大きな問題になっていて、焼却することで大部分は処理できますがそれでも焼却灰がでてこれだけはどうにもならないため、アスファルトの材料に混ぜたり瓦に使用してそのまま捨てることはしないようにしています。
産業廃棄物でも家電製品に関しては家電リサイクル法で廃棄が制限されるようになり、行政側もこの処分する量を減少するように努力していますが、やはり使わなくなれば捨てるという考え方が定着している現在では量を減らすのはとても難しいのは間違いありません。
しかし新たな処分場が簡単に設置できないという現状からそれを打破するために根本的な解決が必要であり、そのためには完全に再利用できる商品づくりというものを実施していくしかないと言えるでしょう。