金が富の中心として機能した歴史とゴールド投資の種類
Last Updated on 2024年11月27日 by ainmana
ゴールド投資をよく理解するためには、金市場の始まりを振り返る必要があります。
金の歴史は、紀元前2000年ごろにエジプト人がアクセサリーを作り始めたことが起源です。
そして通貨として機能し始めたのは紀元前600年ごろです。
当時、商人たちは売買を簡単にするために、標準化された、簡単に移動できるお金を作りたいと考えていました。
その目的に適うものとして金貨に印章を押したもの考えました。
775年にはイギリスが金属でできた通貨を開発
金が貨幣として登場した後、ヨーロッパやイギリスでは金の重要性が高まり、775年にはイギリスが金属でできた通貨を開発しました。
イギリスのポンドとシリング、ペンスはすべて、金または銀の量に応じて決められています。
やがて世界中で富の象徴となりました。
アメリカ政府も金か銀のどちらかに裏付けられるシステムを導入しました。
しかし、この金本位制は永遠には続かず、1934年の金準備法は、流通しているすべての金貨の所有権を米国政府に与え、新たな金貨の鋳造を中止させました。
これをきっかけに、金や金貨はもはや貨幣として必要ないという考えが定着したのです。
アメリカは1971年に金本位制を放棄し、金が通貨の裏づけとなるシステムを完全に排除しました。
金は世界の通貨の裏付けがなくなったとしても、現代社会において重要な役割を果たしています。
その事実は、中央銀行や国際通貨基金などの金融機関のバランスシートを見れば一目瞭然です。
21世紀に入ってもこういった機関は、世界の金の供給量の約5分の1を保有しています。
くわえていくつかの中央銀行は、長期的な世界経済への懸念を反映して金の保有量を増やしています。
現代経済における金の重要性
現代経済における金の重要性は、金が何千年にもわたって富を担保してきたことです。
紙幣の場合はそうはいきません。
かつては1万円でかなりものを購入することができましたが、インフレーションが起こると買えるものが劇的に減ります。
これが紙幣を投資先とする危うさです。
中東の緊張状態など、政治の不確実性は経済にも不安をもたらします。
そのため、資産家は政治的な不確実性がある時に、金を安全な避難場所とします。
この理由は歴史を振り返ればわかります。
帝国の崩壊や政治的クーデター、通貨の暴落などがあったときに、金を保有していた資産家は自分の財産を守ることに成功したからです。
場合によっては混乱から逃れるために金を利用したこともありました。
そのため、世界経済の不確実性を示唆するようなニュースがあると、資産家は安全な避難場所として金を購入することが珍しくありません。
心配している事柄の種類やポートフォリオ形成の目的によらず、金は歴史的にポートフォリオに分散要素を加える投資として機能してきました。
分散投資を目的とした場合、金は株式や債券、不動産との相関関係はありません。
現在のゴールド投資における所有方法
現在のゴールド投資は所有方法が多岐にわたります。
たとえばまず金の先物や金貨、金の会社の株があります。
くわえてETFやミニチュアファンド、地金です。
ETFとはExchangeTradedFundの略で、指数やセクター、商品を追跡する証券の一種でです。
通常の株式と同様に証券取引所で売買することができます。
ETFのメリットは年間の管理手数料が安く、一元管理ができることです。
管理する口座は証券会社のもので、破綻のリスクはありません。
デメリットは金を自分で持つことができないことで、自動積立が難しいことです。
金の延べ棒など、現物を購入して手元に持つことも資産形成のひとつです。
メリットは金そのものを持てるということで、通貨が機能しなくなったときなどはこれを使って生活必需品を手にできる可能性があります。
デメリットは盗難のリスクと保管コストです。
延べ棒を大量に持っていることが発覚すれば、犯罪者に狙われる恐れがあります。
それを防ぐために自分で保管環境を整えるには資金が必要となります。
これを預けるとなるとまたコストが掛かりますし、少量だと割高になります。
テレビコマーシャルなどで有名になった選択肢として、純金積立が挙げられます。
これは申し込みをすれば毎月自動的に購入してくれる仕組みで、堅実思考の人にマッチします。
メリットは少額からスタートでき、盗難のリスクがありません。
しかも本人が希望すれば現物と交換可能です。
デメリットは手数料が高く、場合によっては取引企業の破綻によって悪影響が懸念されます。
投信は多くの人から集めた資金をまとめて専門家が運用するものです。
専門家が金の現物や連動する商品にお金を回すことになります。
利点は少額からスタートでき、自動積立ができることです。
一元管理もできるから手間がいりません。
欠点は現物を手元に保有できず、管理費用が高めなことです。
先物取引の対象として金を選ぶことも可能です。
まとめ
先物とは将来の決められた日に、その時点の価格で売買の約束をする取引です。
レバレッジを利かせて、少ない資金で大きな金額を動かせるのが長所です。
しかしそのぶん、リスクが大きく長期的な資産形成には向きません。